鈴木斉Suzuki Hitoshi

鈴木斉Suzuki Hitoshi

想像を超える雄大な海。その途方もないスケールに魅かれた。何かが変わる瞬間は、必ずある

人の想像を超える雄大な海。何が起こるかは誰にもわからない。だからこそ夢がある。なんと言っても地球の7割方は海ですから。自分の予想を遥かに上回る魚に出会うこともある。そのスケールの大きさが海の魅力ですね。ここ数年は一番ハマっているのがマグロ釣り。ベイトとタイミングが合った時に、マグロが餌を追い詰めて水面から飛び出す迫力は圧倒的。水しぶきや巨大な魚影、逃げ惑うベイトを見るだけでもすごく興奮しますよ。魚の希少価値やサイズも国内で最大級。チャンスも少ない。それをキャスティングタックルで獲るのはダイナミックかつ繊細でもあり、他のゲームにはない面白さがあります。まぁ嬉しかったことよりは悔しかったことの方がよく覚えていますが、マグロで一番厄介なのは何kgが釣れるかわからないこと。青森の津軽海峡でしたが、初めてのロケでいきなりデッカいのが跳ねて、かかったのが100kg以上。それがもう、どうにも手に負えなくて。最終的にはPE10号のラインをバチンっと切られた。本当に悔しくてしょうがなかった。釣れた魚も嬉しいけど、それ以上に逃げられた魚っていうのがね。悔しくて、通うきっかけにもなった一匹です。その後、シーズン中は時間があればとにかく通いましたが、やっぱりその悔しさがあったが故にですね。そう思う気持ちが無いと、それをバネにしないと上手くもならないしね

釣りをしていると、たまらない瞬間がある。前日からの狙い通りに、イメージがカタチになる瞬間。現場に行ってみると潮の流れも良しベイトも良しで、今日はもうこの場所だって決めたその場所その瞬間に、狙ったタイミングで思い通りに釣れた時がやっぱり一番、やった!と思いますね。そのためには事前の下見で、または当日の限られた時間内に、どんな変化や兆候が表れるかを自分の目で見ないといけない。昨日見た光景と、今日見る海の姿が全く違うこともあります。その違いにも気付いて頭の片隅に入れておく。基本的に狙っている本命の魚影が見えることはあまりないのですが、今回のヒラマサなりターゲットとなる魚がそこに入ってくるには、何か理由があるはずなんですよ。例えば釣れない状況から一転変わって釣れ始める時、穏やかな潮の流れから急に水面がざわついてくる。何かが変わる瞬間は、必ずある。大きな海を広い視野でよく観察して、時間と共に表れる変化をいかに捉えられるか。岸からであれば、ブレイクラインや沈み根がどこにあるか。ベイトの大きさはどうか。魚がステイして餌を待てるような隠れ家があるか。潮がどこでぶつかってどう流れているから、ここに魚が付きそうだとイメージする。水質や濁り、流れや水深の変化、ルアーのコースやタイミング。沖では何を見るかと言うと、潮目や潮のヨレだったり、カモメが水中に突っ込んでいくような鳥の動き、潮の動き、遠くのナブラ。目が疲れて、そういう些細な変化が見えなくなるのが嫌なんですよ。常に良い状態をキープするためには、やっぱり良い偏光グラスに頼らないと。釣れたらラッキー、ずっと投げていたらいつか釣れるよっていうのも一つの釣りではありますが、どんな魚でも必ず時合いはある。それがいつどこに来るかを掴むためには、もうルアーを投げる前からこの目で見て確かめて、感度を高めるしかない。

偏光グラスがあるとないとでは、全然違いますね。無いと、まず見えないので情報量が激減します。例えば船縁のすぐ近くに小魚の群れが通っても全く見えない。波しぶきや乱反射から目を守るだけでも疲れ方が違うし、何よりも集中力が変わってくる。集中力が切れると瞬時の判断を見誤ってチャンスを逃してしまう。夜明けから日暮れまでフィールドに立つことが多いので、目の疲れ=体の疲れをなるべく抑えてコンディションを保ちたいし、目にダメージを蓄積させたくない。楽しく釣りをするためにも、長く釣りを楽しむためにもね。道具を見ていてもよくわかります。タックルだって、その辺に置いていると潮と紫外線でどんどん悪くなりますよ。

水面が近くなるウェーディングでは照り返しも強烈ですが、魚が近くで暴れて水しぶきが目に入ると一時的に視力を奪われます。水質が悪い場所では特に気を使うので、万全の状態で魚とのファイトに臨むためにも偏光グラスで目を保護する必要があるし、ランディングする時もけっこう怖いんですよね。ルアーが外れて顔に飛んでくる可能性があるので、常に最悪の事態に備えておきたい。段差や足場の悪い場所での移動も多く、ハードな動きにはフィット感も重要です。厳しい自然が相手なので疎かにせず、考えられるリスクにはしっかりと対策すること。ちゃんと装備を整えてこそ、全力で挑めますから。

ヒラスズキを狙った今日の岩場でも常に爆風や波しぶきを顔に受けるので、裸眼だと目を開けていられない。偏光グラスがあればこそポイントを見て魚の動きを知ることができるし、釣りに集中できる。欲を言えば、頭から波をかぶってもすぐに視界が綺麗になるように、車みたいなワイパーつきの偏光グラスが欲しいですね。この新しいBATLERは面白いと思いますよ。実際に使ってみても、ちょっとゴーグルに近い雰囲気でかなりシャットアウトしてくれる。特に船で走り回るようなマグロ釣りとか、今日みたいに波風を浴びながらヒラスズキを狙うような時にはすごく活躍してくれそうですね。ラスターオレンジのレンズも一気に視界が明るくなって色々見えてきたので、いかにも釣れそうな感じになりましたよ。偏光グラスを何本も持っていくのは難しいことも多いので、朝マズメや夕マズメの暗い時間から使える、少し明るめのレンズが好きですね。もう12~3年ほど前ですが、最初にZeque(ゼクー)を使い始めたきっかけは、単純にデザインがかっこいいなと思って手に取りました。機能性も大事ですが、釣りに行く時間が長いし頻度も多いので、釣り用サングラスだと割り切るよりは日常的に空港や車での移動中から掛けたい。デザインが気に入らないものは正直使いたくないですね。

年を取るほど過酷になって、自然相手で体力勝負だからなかなかハードですよ。ちょっとツラいときもありますけど、休んだら休んだで釣りに行っちゃうんですよね。仲間とプライベートで釣りに行くことも自分にとっては大切です。忙しくて最近はそれが難しいので、ストレスも少しありますね。いろんな人と一緒に釣りをして、最近はこんなパターンでこんな釣りもあるよっていう新しいインプットを増やしていかないと自分を磨けない。同じような釣りで道具だけが変わっていても、伸びしろが無くなって行き詰まるんですよ。魚との出逢いも大切ですが、人との出逢いも大切にしたいですね。色々なメーカーさんのサポートを受けながら、経験を積み重ねてきた今だからこそ見えてきたこともあって。今後は自分の理想を突き詰めて、何か形にできたらいいな、と思いますね。もっと自由になって、そこから生まれたものを皆さんと分かち合って、その喜びを糧にして次の仕事に取り組んでいく。そうなれたら一番良いな、と考えています。

Profile
リバーシーバスゲームから豪快なジギング、高い集中力が要求されるヒラマサキャスティングやクロマグロゲームと幅広いソルトゲームに精通する。フィールドを選ばず全国を放浪し、国内外問わず遠征経験も豊富。各釣り雑誌や釣り番組でも活躍する、名実共にソルト界を代表するマルチプロアングラー。017年11月にはキャスティングで自己記録を更新する177.4キロのクロマグロをソロで釣り上げる。

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